「財務」という言葉の意味

初めまして、財務コンサルタント・税理士のさとうです。

このブログでは主に中小企業の社長様や経理財務担当者の方々にお役に立つ情報を発信しています。

「財務」の意味とは?

さて、私は財務コンサルと名乗っていますが、「財務」とはどんな業務なのか、または「財務」の言葉の意味 わかりますか?

 

知人がたまたま5人の中小企業の社長さんの前で聞いてみたそうです。

“「財務」の言葉の意味説明できますか?” と。すると、皆さん言葉を濁し、誰ひとりとして明確な回答はなかったとのこと!普段財務の近いところにいらっしゃる方でもはっきりとは説明できないんですね。

 

「財務」という言葉の定義

かくいう私も財務の大切さを認識する前までは、財務の言葉の意味やいわゆる財務部の業務内容などよくわかっていませんでした。

 

「財務」の一般的定義

「財務」という言葉をWikipediaで検索してみました。

興味のある方はこちらから↓

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A1%E5%8B%99

ここにの載せようかと思いましたが、長くなってしまうので簡単にまとめると以下です。

・日々のお金の流れを管理

・資金繰りを考える

・お金の調達

・財務部が存在しない会社では、経理部が財務を担当している。「経理」と「財務」は厳密に使い分けられていない。

→あるあるです。私も前職で経理部でしたが、よく「財務部 さとうさん」というメールが届いていました。

・CFOがその職務を取り仕切っている。

 

私が考える「財務」の言葉の定義

「財務」の定義は、Wikipediaで記載されている通りだと思いますが、私は少し違った定義を持っています。

それは、

未来のためにお金をどう使うか、どう調達するかを考えること

 

未来のためにというのは、明確に言うと、「社長や会社のゴールやビジョン実現のため」にということです。

 

会計・税務からの比較

財務と似た言葉に「会計」や「税務」があります。「会計」「税務」「財務」これらの違いを明確にしてみましょう。なお、ここでは会計=企業会計という前提でお話していきます。

会計とは

会計とは社外の利害関係者に企業の財務状態や経営成績に関する情報を提供するためのものです(財務会計、管理会計、税務会計などありますが、話が複雑になるので、ここでは財務会計の前提です)。

簡単に言うと、この一年でこれだけ利益が出ましたよ、とか今の会社の財産の状況(お金や資産、借入金がどのくらいあるかなど)を報告することを目的としたものです。

税務とは

税務とは、一言でいうと国や地方自治体により課税される税金を計算することを目的としたものです。会計の考え方をベースにしながらも、納税額を計算するのに好ましくない部分は、税法でその取扱いが定められています。なので、会計の中に税務があるという考え方もできます(いわゆる税務会計)。

会計と税務の共通点

「会計」と「税務」には共通点があります。

それは過去に対するものということです。こんな取引があったから会計はこのように処理する、税務はこう処理する、など、過去に起こったことに対して処理を行うのが会計と税務です。

 

財務は未来に対するもの

一方で財務は未来に対するものです。

例えば、今後数年で店舗数を増やしたい、売上規模を大きくしたいなど、未来のありたい姿があって、じゃあ今何をするのか、どんな投資をするのか、何年で回収できるのか、投資のための資金はどう調達するのか。こういったことを考えることが財務の業務だと思っています。

規模の大きい企業の経営企画室というとイメージがわく方もいらっしゃるかもしれません。

図示すると↓のようになります。

会計、税務、財務の違い

私がイメージする具体的な財務の業務は以下です

・資金繰り管理

・事業計画・投資計画作成と進捗管理

・資金調達

・投資判断

・金融機関との関係構築や交渉

・危機管理 …etc.

 

会社のゴールやビジョンを見据えながら上記に取り組むことが大事で、誤っている方向に行ってしまったら軌道修正をしていく必要があります。

 

まとめ

 

私のHPでも、今後のブログ記事でも財務という言葉を頻繁に使用するので、言葉の定義を明確にしました。

「財務」とは、未来のためにお金をどう使うか、どう調達するかを考えること。

会社のゴールやビジョンを見据えながら、お金の使い方を検討していくことが大事です。